はじめに 手術後も続く不安との向き合い方
人工股関節の手術を無事に終えたのに、なぜか膝の痛みが続いている。自分では真っすぐ歩いているつもりなのに、鏡で見ると体が傾いている。そんな経験はありませんか?
手術そのものは成功しても、長年の痛みで身についた体の使い方の癖は、簡単には消えません。股関節をかばって歩いていた期間が長ければ長いほど、膝や腰、背中にまで負担がかかり、新たな痛みを生み出してしまうのです。
二子玉川にあるPHYSIOTHでは、人工股関節手術後の方々が「本当の意味で元の生活に戻る」ためのリハビリテーションを提供しています。単に痛みを和らげるだけでなく、歩き方そのものを根本から見直し、体全体のバランスを整えることで、手術後の生活の質を大きく向上させることができます。
この記事では、実際に当院で施術を受けられたM様の事例を通じて、人工股関節手術後に起こりがちな問題と、その解決方法について詳しくお伝えします。
M様が抱えていた術後の悩みと生活への影響
手術後も消えない膝の痛みと不安定さ
M様は右股関節の人工股関節手術を受けられた方です。手術から数ヶ月が経過し、股関節自体の痛みは軽減したものの、両膝の痛みが続いていました。
特に左膝は伸ばすと裏側が痛み、カクカクとした違和感があります。買い物のために携帯電話ショップで長時間座った後、立ち上がろうとした瞬間、膝に力が入らずガクッとなってしまい、店員さんに心配される出来事もありました。
この経験はM様にとって非常にショックで、「人前でまた同じことが起きたらどうしよう」という不安を抱えるようになりました。美容院でシャンプー台から立ち上がる時も、同じように膝に力が入らない感覚があり、日常生活のあらゆる場面で不安がつきまとうようになっていたのです。
自分では気づかない歩行時の体の傾き
M様が最も困っていたのは、自分の歩き方が正しいのかどうか分からないという点でした。家で一人で歩いている時、本当にちゃんと歩けているのか確認する術がありません。
実際に歩行を分析すると、右側に体が傾く癖が残っていました。これは人工股関節手術を受けた方のほぼ100%に見られる典型的な歩行パターンです。手術前から痛みをかばって傾いて歩いていた期間が長く、その動きが体に染み付いてしまっているのです。
M様自身は「そんなに傾いているつもりはない」とおっしゃっていましたが、鏡で確認すると明らかに右への傾きが見られました。この自己認識と実際の動きのギャップこそが、改善を難しくしている大きな要因でした。
保育士という職業ならではの切実さ
M様は長年保育士として働いてこられました。保育の仕事は、しゃがんだり立ったりの動作が非常に多く、膝への負担が大きい職業です。
両膝には変形性膝関節症があり、できれば手術は避けたいと強く願っていました。股関節の手術を経験したからこそ、膝の手術も必要になってしまうことへの恐怖は人一倍強いものがありました。
また、M様の生活では自転車が欠かせません。最寄り駅まで徒歩20分かかるため、買い物や通勤には電動自転車が必需品です。自転車に乗れなくなることは、生活そのものが成り立たなくなることを意味していました。
PHYSIOTHを選んだ理由と来店までの経緯
整形外科のリハビリだけでは足りなかった部分
M様は手術後、整形外科でのリハビリを受けていました。しかし、週に一度程度の頻度では、日常生活での体の使い方まで細かく指導してもらうことは難しい状況でした。
整形外科では主に関節の可動域を広げることや基本的な筋力トレーニングが中心です。もちろんこれらも重要ですが、「実際の生活の中でどう体を使えばいいのか」「なぜ膝が痛くなるのか」といった根本的な疑問には十分に答えてもらえませんでした。
M様は「もっと専門的に、自分の体の使い方を見てもらいたい」と感じていました。特に歩き方については、自分では正しく歩いているつもりでも実際には傾いているという事実を知り、客観的に評価してくれる場所が必要だと痛感していたのです。
人工股関節術後の専門知識への期待
PHYSIOTHの施術者は、国家資格を持つ理学療法士で、病院勤務時代に延べ5万人以上の患者様を診てきた経験があります。特に人工股関節手術後のリハビリテーションには豊富な実績があり、手術後特有の体の変化や課題を深く理解しています。
M様は「人工股関節手術を受けた人が100%傾いてしまうこと」「その傾きがなぜ起こるのか」「どうすれば改善できるのか」といった専門的な説明を受け、大きな安心感を得られました。
一般的な整体院やマッサージでは、手術後の体の状態を正確に評価することは難しいものです。医学的知識に基づいた動作分析と、一人ひとりの状態に合わせたオーダーメイドのアプローチができる点が、M様にとって決め手となりました。
二子玉川という通いやすい立地
M様は自転車で25分から30分かけて通院されています。二子玉川という場所は、用賀や上野毛、等々力といった周辺地域からもアクセスしやすく、生活圏内で専門的なケアを受けられることも大きなメリットでした。
自転車での移動自体が、実は股関節や膝の運動にもなります。電動自転車とはいえ、ペダルをこぐ動作は関節の可動域を使い、筋肉を動かす良い機会です。ただし、自転車だけでは不十分な部分もあるため、専門的なリハビリと組み合わせることで、より効果的な改善が期待できます。
初回カウンセリングで見えてきた本当の問題
詳細な動作分析で明らかになった体の状態
初回のカウンセリングでは、まず詳しく体の状態をチェックしました。仰向けになって股関節の可動域を確認すると、左右で大きな差がありました。
左足は比較的スムーズに動きますが、右足は股関節周りの筋肉の硬さが目立ちます。特にお尻の後ろ側や外側の筋肉が硬くなっており、これが股関節の動きを制限していました。
また、膝を立てて横に倒す動きでは、左側はスムーズに倒れますが、右側は途中で止まってしまいます。これは腰からお尻にかけての筋肉が硬くなっているためで、股関節の手術後によく見られる現象です。
膝については、右膝は比較的良好ですが、左膝は伸ばすと裏側に痛みがあり、ふくらはぎの筋肉も硬くなっていました。これは右股関節をかばって左足に負担がかかっていた影響と考えられます。
歩行時の重心移動パターンの問題
実際に歩いてもらうと、やはり右側への傾きが見られました。これは単なる姿勢の問題ではなく、重心の乗せ方そのものに課題があることが分かりました。
片足立ちをしてもらうと、左足ではある程度バランスを保てますが、右足では体が傾いてしまいます。これは右足にしっかりと体重を乗せることができていないためです。
さらに詳しく分析すると、骨盤の位置にも問題がありました。理想的な立ち方では、骨盤がやや前傾して、かかとに体重が乗る状態が望ましいのですが、M様の場合は骨盤が後傾してつま先重心になっていました。
この状態では、お尻の筋肉をうまく使えず、代わりに太ももの前側の筋肉で体を支えようとします。その結果、太ももの前側が過度に緊張し、膝への負担も増大してしまうのです。
背骨と股関節の連動性の低下
股関節が悪くなると、腰や背骨の動きも硬くなります。M様も長時間座った後に立ち上がると腰が痛むことがあり、背骨周りの柔軟性が低下していました。
横向きになって背骨の動きを確認すると、一つ一つの椎骨の間の関節が硬くなっており、スムーズに動いていません。背骨の動きが悪いと、股関節の動きにも影響が出ます。
試しに背骨の関節を動かす手技を行った後、再度膝を立てて横に倒す動きを確認すると、明らかに倒しやすくなっていました。これは背骨が動くようになることで、周りの筋肉も緩み、股関節の動きも改善されたためです。
このように、体は全体が連動して動いているため、股関節だけでなく、背骨や骨盤、膝など、全身のバランスを整えることが重要なのです。
施術内容 段階的なアプローチで体を再構築
関節と筋肉の柔軟性を取り戻す手技療法
まず最初に行うのは、硬くなった関節や筋肉をほぐすことです。関節ファシリテーションという手技を用いて、股関節や背骨の関節一つ一つの動きを改善していきます。
M様の場合、特にお尻周りの筋肉が硬くなっていたため、丁寧にほぐしていきました。お尻の後ろ側、外側、そして深層にある筋肉まで、段階的にアプローチします。
この時、痛みの質を確認しながら進めることが大切です。筋肉が伸びることによる突っ張り感や硬さからくる痛みであれば、むしろほぐしていくべきサインです。一方、関節内部で何かが当たるような痛みであれば、無理をせず角度を調整します。
背骨についても、横向きになって一つ一つの椎骨を動かしていきます。これにより背骨周りの筋肉も緩み、股関節の動きも改善されます。実際にM様も、背骨を動かした後は明らかに股関節の動きがスムーズになったことを実感されていました。
正しい体の使い方を学ぶ動作トレーニング
柔軟性が改善したら、次は正しい体の使い方を学んでいきます。いくら関節や筋肉をほぐしても、日常生活での動き方が変わらなければ、また同じ問題が起こってしまうからです。
まず基本となるのは、骨盤の位置です。鏡の前で立ってもらい、骨盤をやや前傾させる姿勢を練習します。お尻を少し後ろに出すような感覚で、腰を軽く反る程度の位置です。
この姿勢を取ると、自然とかかとに重心が移動します。M様も「かかとに体重が乗る感覚が分かる」とおっしゃっていました。この位置が、お尻の筋肉を使いやすく、膝への負担も少ない理想的な姿勢なのです。
次に、この姿勢を保ったまま、左右に重心を移動する練習をします。右足に体重を乗せる時は、腰ごと右に移動させ、右足全体で体重を支えます。この時、つま先だけでなく、かかとにしっかりと体重を乗せることが重要です。
お尻の筋力を強化する専用エクササイズ
正しい姿勢や動き方を学んだら、それを支えるための筋力をつけていきます。特に重要なのがお尻の筋肉です。
ゴムバンドを使ったエクササイズでは、仰向けになって足首にバンドを通し、足を横に開く動作を行います。この時、骨盤が傾かないように注意しながら、お尻の横の筋肉を使って足を開きます。
M様の場合、左足は比較的スムーズに動きますが、右足は開きにくく、角度も小さくなります。これは右のお尻の筋力が低下していることを示しています。
うつ伏せでは、膝を曲げた状態で足を持ち上げるエクササイズを行います。この動作もお尻の筋肉を使うもので、股関節の動きと筋力を同時に鍛えることができます。
さらに、バランスディスクという不安定な台の上で片足立ちをする練習も行います。不安定な状態でバランスを取ろうとすると、自然とお尻の筋肉を使わざるを得なくなります。M様も「お尻を使っている感覚がすごくある」と実感されていました。
膝の負担を減らすための足の使い方
膝の痛みを軽減するためには、足全体の使い方を改善する必要があります。ゴムバンドを使った膝の伸展運動では、かかとを押し出すようにして膝を伸ばします。
この動作は、単に膝を伸ばすだけでなく、立っている時に床を押す動作に近い足の使い方を練習するものです。かかとで床を押す感覚を身につけることで、膝への負担を減らすことができます。
また、階段昇降に近い動作として、バランスディスクに乗り降りする練習も行います。右足で乗る時は、右足全体でしっかりと体重を支え、お尻の筋肉を使ってバランスを取ります。
膝から下の力を抜いて、股関節周りでバランスを取ることがポイントです。膝に力を入れて突っ張ってしまうと、かえってバランスが取りにくくなり、膝への負担も増えてしまいます。
施術後の変化 M様が実感した体の改善
歩行時の安定感が明らかに向上
施術後、再度歩いてもらうと、体重を乗せた時の安定感が明らかに変わっていました。M様自身も「乗っかっている感じが分かる」とおっしゃっていました。
右足に体重を乗せる時の不安定さが減り、フラフラする感覚が少なくなっています。完全に傾きがなくなったわけではありませんが、一回の施術でもこれだけの変化が出ることに、M様も驚かれていました。
この変化は、骨盤の位置を整え、正しい重心の乗せ方を体が学習したことによるものです。まだ長年の癖が残っているため、意識しないと元の動き方に戻ってしまいますが、練習を重ねることで徐々に自然な動きとして定着していきます。
股関節と膝の可動域の改善
施術前は硬くて動きにくかった股関節も、明らかに可動域が広がりました。特に膝を立てて横に倒す動きでは、施術前は途中で止まっていた右側も、スムーズに倒せるようになりました。
背骨の動きを改善したことで、周りの筋肉も緩み、股関節の動きにも良い影響が出たのです。M様も「さっきよりずっと倒しやすい」と変化を実感されていました。
膝についても、裏側の筋肉をほぐしたことで、伸ばした時の痛みや突っ張り感が軽減しました。完全に痛みがなくなったわけではありませんが、柔軟性を出していくことで、さらに改善が期待できます。
お尻の筋肉を使う感覚の獲得
施術の中で最も重要だったのは、お尻の筋肉を使う感覚を掴んでもらったことです。バランスディスクを使った練習の後、普通に片足立ちをしてもらうと、お尻を使う感覚が残っており、分かりやすくなっていました。
この感覚を日常生活の中でも意識することで、歩く時や階段を上る時に、自然とお尻の筋肉を使えるようになっていきます。お尻をしっかり使えるようになれば、膝への負担も大幅に減らすことができます。
M様は施術後、「お尻が筋肉痛になるかもしれない」と伝えられました。これは普段使っていなかった筋肉を使った証拠であり、良い兆候です。筋肉痛が出るということは、確実にその筋肉が働いたということなのです。
自宅でできるセルフケアとアドバイス
動画で確認できる自主トレーニング
PHYSIOTHでは、施術中に行ったエクササイズを動画で撮影し、お客様に送付しています。M様にも、ゴムバンドを使った運動や、骨盤の位置を整える練習などの動画をお送りしました。
動画があることで、家でも正確に復習することができます。「こんな感じだったかな?」と曖昧な記憶で行うのではなく、正しいフォームを確認しながら練習できることが、効果を高める大きなポイントです。
M様は「ゴムバンドは買った方がいいですか?」と質問されました。ゴムバンドがあれば、より効果的なトレーニングができますが、タオルでも代用可能な運動もあります。継続しやすい方法を選んでいただくことが大切です。
日常生活で意識すべき姿勢と動作
自主トレーニングと同じくらい重要なのが、日常生活での体の使い方です。特に意識していただきたいのが、立っている時の骨盤の位置です。
骨盤を少し前傾させ、かかとに体重を乗せる姿勢を、日常的に意識してみてください。最初は意識しないとできませんが、練習を重ねることで、徐々に自然な姿勢として定着していきます。
歩く時も、右足に体重を乗せる瞬間に、腰を右にしっかり移動させることを意識します。M様の場合、「すごく右に移動している感じがする」とおっしゃっていましたが、実際には左足の時と同じくらいの移動量です。感覚と実際のギャップを埋めていくことが、改善への近道です。
長時間座った後の注意点
M様が経験された、長時間座った後に立ち上がると膝に力が入らなくなる現象は、同じ姿勢で固まってしまうことが原因です。
長時間座る場合は、30分に一度程度、軽く立ち上がって足踏みをするなど、体を動かすことをお勧めします。完全に固まってしまう前に動かすことで、立ち上がり時の不安定さを予防できます。
また、立ち上がる時は、いきなり立つのではなく、一度椅子の前の方に座り直し、足を引いて、かかとに体重を乗せてから立ち上がるようにすると、膝への負担が少なくなります。
人工股関節術後によくある課題と対策
手術後特有の歩行パターンとその理由
人工股関節手術を受けた方のほぼ100%に、手術した側に体が傾く歩行パターンが見られます。これは決して珍しいことではなく、むしろ当然の現象です。
手術前、痛みがあった期間が長ければ長いほど、痛みをかばって傾いて歩く癖が身についています。手術によって股関節自体の痛みは取れても、長年の動きの癖はすぐには消えません。
また、手術後はどうしても患側の筋力が低下します。特にお尻の筋肉は、股関節の安定性に重要な役割を果たしているため、この筋力低下が歩行時の傾きにつながります。
さらに、手術した部位を無意識に守ろうとする心理的な要因もあります。「当たると痛いかもしれない」という不安から、体を傾けて患側への負担を減らそうとしてしまうのです。
お尻周りの筋肉が硬くなるメカニズム
手術後、お尻周りの筋肉が硬くなることも、ほぼすべての方に見られる現象です。これにはいくつかの理由があります。
まず、手術そのものの影響です。人工股関節の手術では、お尻の筋肉を切開したり、一時的に離したりする必要があります。手術後の癒着や瘢痕組織の形成により、筋肉の柔軟性が低下します。
また、手術後しばらくは痛みや不安から、お尻の筋肉を無意識に緊張させてしまいます。この緊張状態が続くことで、筋肉が硬くなってしまうのです。
さらに、手術前から股関節の痛みをかばって動いていたため、お尻周りの筋肉の使い方が変わっていました。本来使うべき筋肉が使われず、代償的に他の筋肉が過剰に働くことで、バランスが崩れ、硬さにつながります。
膝への二次的な影響を防ぐために
股関節の問題が膝に影響を与えることは、非常によくあります。M様のように、股関節の手術後も膝の痛みが続くケースは少なくありません。
股関節の動きが悪いと、歩く時に膝で代償しようとします。本来は股関節で吸収すべき衝撃を、膝が引き受けることになり、膝への負担が増大します。
また、体が傾いて歩くことで、左右の足への体重のかかり方が不均等になります。M様の場合、右股関節をかばって左足に負担がかかり、左膝に痛みが出ていました。
膝の手術を避けるためには、股関節の動きを改善し、正しい歩き方を取り戻すことが不可欠です。股関節が本来の動きを取り戻せば、膝への負担も自然と減っていきます。
長期的な改善のために大切なこと
継続的なケアの重要性
一度の施術で体の変化を実感できても、それだけで完全に改善するわけではありません。長年の癖を変えるには、継続的な取り組みが必要です。
M様には週に一度のペースで通っていただき、段階的に体の状態を改善していくプランをご提案しました。毎回の施術で少しずつ柔軟性を高め、筋力をつけ、正しい動き方を体に覚え込ませていきます。
施術と施術の間は、自宅でのセルフケアが重要です。動画を見ながら自主トレーニングを行い、日常生活でも姿勢や動作を意識することで、施術の効果が持続し、さらなる改善につながります。
改善の速度は人それぞれですが、多くの方は3ヶ月程度で明らかな変化を実感されます。半年から一年かけて、より安定した状態を目指していきます。
生活習慣の見直しポイント
M様の場合、保育士という職業柄、しゃがんだり立ったりの動作が多く、膝への負担が大きい環境です。仕事内容を変えることは難しいですが、動作の質を変えることはできます。
しゃがむ時は、膝だけを曲げるのではなく、股関節から曲げるようにします。お尻を後ろに引きながらしゃがむことで、膝への負担を減らすことができます。
立ち上がる時も、かかとに体重を乗せて、お尻の筋肉を使って立ち上がるようにします。つま先重心で膝の力だけで立ち上がると、膝への負担が大きくなります。
また、自転車に乗ることも、実は良い運動になります。M様は電動自転車で片道25分から30分かけて通院されていますが、この移動自体が股関節と膝の可動域を使う良い機会です。ただし、自転車だけでは筋力トレーニングとしては不十分なので、専門的なリハビリと組み合わせることが理想的です。
再発予防のための体づくり
一度改善しても、また同じ生活習慣や体の使い方に戻ってしまえば、再び痛みが出る可能性があります。再発を防ぐためには、根本的な体づくりが必要です。
お尻の筋力を維持することは、股関節と膝の両方を守るために非常に重要です。週に2回から3回程度、自宅でのエクササイズを継続することをお勧めします。
柔軟性も同様に大切です。お尻周りや太ももの裏側、ふくらはぎなど、硬くなりやすい部位を定期的にストレッチすることで、関節への負担を減らすことができます。
そして何より、正しい体の使い方を習慣化することです。最初は意識しないとできませんが、練習を重ねることで、無意識のうちに正しい動きができるようになります。脳が新しい動きのパターンを学習することで、自然と体が動くようになるのです。
専門家から見た人工股関節術後リハビリのポイント
医学的知識に基づいた評価の必要性
人工股関節手術後のリハビリテーションには、専門的な知識が不可欠です。手術によって股関節の構造が変わり、周囲の筋肉や靭帯の状態も変化しています。
どの筋肉がどのように影響を受けているのか、どの動きが制限されやすいのか、どのような代償動作が起こりやすいのか。これらを正確に評価するには、解剖学や運動学の深い理解が必要です。
PHYSIOTHの施術者は、国家資格を持つ理学療法士として、病院で長年リハビリテーションに携わってきました。その経験の中で、数多くの人工股関節手術後の患者様を担当し、術後特有の課題とその解決方法を熟知しています。
単に痛みを和らげるだけでなく、なぜその痛みが起こっているのか、根本原因は何なのかを見極め、医学的根拠に基づいたアプローチを行うことが、真の改善につながります。
全身のバランスを整える重要性
股関節の問題は、股関節だけの問題ではありません。体は全体が連動して動いているため、股関節の動きが悪ければ、膝や腰、背骨にも影響が出ます。
M様の事例でも、背骨の動きを改善したことで股関節の可動域が広がったように、一見関係なさそうな部位が実は深く関連しています。
骨盤の位置、背骨の柔軟性、足首の動き、体幹の安定性。これらすべてが歩行に影響を与えます。どこか一つだけを改善しても、他の部位に問題があれば、全体としての動きは良くなりません。
だからこそ、全身を評価し、全体のバランスを整えることが重要なのです。PHYSIOTHでは、症状のある部位だけでなく、体全体を見て、根本的な問題を解決するアプローチを行っています。
動作学習と脳の可塑性
正しい体の使い方を身につけるには、脳の学習が関わっています。長年の癖は、脳に深く刻み込まれた動きのパターンです。これを変えるには、新しいパターンを脳に学習させる必要があります。
最初は意識的に正しい動きを練習します。何度も繰り返すことで、脳が新しいパターンを覚えていきます。やがて、意識しなくても自然とその動きができるようになります。これが動作学習のプロセスです。
PHYSIOTHでは、アニマルフローなど、脳から体の使い方を学ぶトレーニングも取り入れています。単なる筋力トレーニングではなく、体をどう動かすかという神経系のトレーニングが、動作の質を根本的に変えるのです。
よくあるご質問
人工股関節手術後、いつからリハビリを始めるべきですか?
手術直後から、病院でのリハビリは始まります。退院後も、整形外科でのリハビリが続くことが一般的です。
専門的なリハビリ施設での本格的なリハビリは、退院後、医師の許可が出てから始めることをお勧めします。多くの場合、術後1ヶ月半から2ヶ月程度が目安となります。
ただし、個人差がありますので、必ず主治医に相談してから始めてください。PHYSIOTHでも、現在の状態や手術からの経過期間を確認した上で、適切なプログラムをご提案しています。
どのくらいの頻度で通う必要がありますか?
改善の段階や目標によって異なりますが、初期は週に一度のペースをお勧めしています。M様も週一回のペースで通われています。
体の状態が安定してきたら、2週間に一度、月に一度と、徐々に間隔を空けていくことも可能です。最終的には、月に一度のメンテナンスで良い状態を維持できるようになることを目指します。
自宅でのセルフケアをしっかり行っていただければ、施術の効果が持続しやすくなり、通院頻度を減らすこともできます。
自転車に乗っても大丈夫ですか?
人工股関節手術後、自転車に乗れるようになる時期は、一般的に術後1ヶ月半程度が目安とされています。ただし、個人差がありますので、必ず主治医に確認してください。
M様のように、手術前から自転車に乗り慣れている方は、術後も比較的早く乗れるようになることが多いです。むしろ手術前の痛みがある状態で乗っていた時よりも、手術後の方が楽に乗れることもあります。
自転車に乗ること自体は、股関節の可動域を使う良い運動になります。ただし、自転車だけでは筋力トレーニングとしては不十分なので、専門的なリハビリと組み合わせることが理想的です。
膝の手術は本当に避けられますか?
膝の変形の程度や痛みの状態によりますが、適切なリハビリテーションによって、手術を回避できる可能性は十分にあります。
重要なのは、膝への負担を減らすことです。股関節の動きを改善し、正しい歩き方を身につけることで、膝への負担は大幅に軽減できます。
また、膝周りの筋力をつけることも大切です。特に太ももの前側の筋肉は、膝の安定性に重要な役割を果たします。
ただし、すでに変形が進行している場合や、日常生活に大きな支障が出ている場合は、整形外科医と相談の上、手術も選択肢として検討する必要があります。
痛みがある時は運動を休むべきですか?
痛みの質によります。筋肉が伸びることによる突っ張り感や、運動後の筋肉痛であれば、むしろ続けていただいて大丈夫です。
一方、関節内部で何かが当たるような鋭い痛みや、運動によって痛みが増強する場合は、無理をせず休むことをお勧めします。
判断が難しい場合は、遠慮なくご相談ください。痛みの状態を確認しながら、適切な運動量や強度を調整していきます。
他の整体院やマッサージとの違いは何ですか?
PHYSIOTHの最大の特徴は、国家資格を持つ理学療法士による、医学的知識に基づいたアプローチです。
一般的な整体院やマッサージでは、主に筋肉をほぐすことが中心ですが、PHYSIOTHでは関節の動きを改善し、正しい体の使い方を学ぶことに重点を置いています。
また、人工股関節手術後など、医学的知識が必要な症例にも対応できる点が大きな違いです。手術後の体の状態を正確に評価し、一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプログラムを提供しています。
さらに、動画での自主トレーニング指導など、施術だけでなく、お客様自身が主体的に改善に取り組めるサポート体制も整えています。
保険は使えますか?
PHYSIOTHは保険適用外の自費診療となります。初回は体の状態を詳しく評価し、お一人おひとりに合わせたプログラムを作成するため、時間をかけて丁寧に対応させていただきます。
回数券もご用意しており、継続して通っていただく場合はお得にご利用いただけます。M様も12回の回数券をご利用されています。
自費診療だからこそ、時間に縛られず、本当に必要なケアを提供できることが強みです。一人ひとりの状態に合わせて、じっくりと向き合うことができます。
まとめ 人工股関節術後も諦めない体づくり
人工股関節の手術を受けたからといって、すべての問題が解決するわけではありません。むしろ、手術後こそが本当のリハビリテーションの始まりです。
M様の事例からも分かるように、手術後も膝の痛みが続いたり、歩き方の癖が残ったりすることは珍しくありません。しかし、適切なアプローチによって、これらの問題は改善できます。
大切なのは、症状のある部位だけでなく、体全体のバランスを整えること。股関節、膝、腰、背骨、すべてが連動して動いているからこそ、全身を評価し、根本的な原因にアプローチする必要があります。
そして、正しい体の使い方を学ぶこと。長年の癖を変えるには時間がかかりますが、継続的な取り組みによって、必ず変化は訪れます。
PHYSIOTHでは、医学的知識に基づいた評価と、一人ひとりに合わせたオーダーメイドのプログラムで、あなたの体づくりをサポートします。人工股関節手術後の生活の質を向上させ、痛みのない快適な毎日を取り戻しましょう。
ご予約・お問い合わせ
二子玉川のPHYSIOTHでは、人工股関節手術後のリハビリテーションを専門的にサポートしています。用賀、上野毛、等々力、尾山台、九品仏、自由が丘など、周辺地域からもアクセスしやすい立地です。
まずはお気軽にご相談ください。あなたの体の状態を詳しく評価し、最適なプログラムをご提案いたします。
PHYSIOTH
東京都世田谷区玉川4-3-15 サントピア二子玉川第2 101
一緒に、痛みのない快適な生活を取り戻しましょう。お待ちしております。