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人工関節術後の歩行改善 二子玉川の理学療法士が教える姿勢と体幹の使い方

はじめに:手術後も続く身体の悩み

人工股関節や人工膝関節の手術を受けた後、「手術は成功したのに、なぜか思うように歩けない」「階段の上り下りがつらい」「姿勢が悪くなった気がする」といった悩みを抱えていませんか?

手術によって痛みの原因となっていた関節は新しくなったはずなのに、日常生活での動きづらさや違和感が続く。
それどころか、以前はなかった場所に痛みや張りが出てきたり、疲れやすくなったりすることも。

実は、これは決して珍しいことではありません。
手術後の身体は、長年の痛みや動きの制限によって、筋肉のバランスや骨盤の位置、体幹の使い方が大きく変化しています。

手術で関節そのものは治っても、それを支える筋肉や骨盤、背骨の動きが元に戻らなければ、本当の意味での「回復」は難しいのです。

二子玉川のPHYSIOTHでは、病院での理学療法士経験15年、延べ5万人以上のリハビリを担当してきた専門家が、手術後の身体機能回復をサポートしています。
今回は、実際の施術事例をもとに、人工関節術後の方が抱えやすい身体の問題と、その改善方法について詳しくお伝えします。

手術後1年以上経っても改善しない理由

なぜ手術後も身体の問題が続くのか

人工股関節や人工膝関節の手術を受けた方の多くが、手術後しばらく経ってから「思っていたような回復ができていない」と感じることがあります。

手術前は、関節の痛みをかばうために無意識のうちに身体の使い方を変えていました。
例えば、右膝が痛ければ左足に体重を多くかけたり、股関節が痛ければ骨盤を後ろに傾けて歩いたりと、痛みを避けるための代償動作が身についていたのです。

この代償動作は、痛みがある時期には必要な工夫でしたが、手術後もその動き方の癖が残ってしまうことが問題です。
関節は新しくなっても、筋肉の使い方や骨盤の位置、背骨の動きといった「身体の使い方」は自動的には元に戻りません。

さらに、手術後の安静期間中に筋力が低下したり、関節周りの筋肉が硬くなったりすることで、正しい動き方をすることがより難しくなります。

連鎖的に悪化する身体の問題

手術後の身体は、一つの問題が別の問題を引き起こすという連鎖反応を起こしやすい状態にあります。

例えば、股関節の手術後にハムストリング(太ももの裏側の筋肉)が硬くなると、骨盤が後ろに傾いた状態で固まってしまいます。
骨盤が後傾すると、上半身の重心が後ろに残りやすくなり、歩く時に足だけが前に出て上半身が遅れる、という非効率な歩き方になります。

この状態で歩き続けると、膝に余計な負担がかかり、膝の内側に痛みや腫れが出てきます。
膝をかばうために今度は足首が硬くなり、ふくらはぎがむくんできます。

このように、一つの硬さや弱さが次々と別の部位の問題を生み出していくのです。

実際の施術例では、人工股関節と人工膝関節の両方の手術を受けたT様が、まさにこの連鎖的な問題に悩まされていました。
手術から1年9ヶ月が経過しても、ハムストリングの硬さ、骨盤の後傾、体幹の硬さ、足首のむくみといった複数の問題が絡み合い、「一つクリアするとまた次の問題が出てくる」という状態が続いていたのです。

病院のリハビリでは届かない「その先」の問題

病院でのリハビリは、手術後の初期段階での回復には非常に有効です。
関節の可動域を広げたり、基本的な筋力を取り戻したりする上で、医療機関でのリハビリは欠かせません。

しかし、保険診療でのリハビリには時間や期間の制約があります。
一人ひとりの施術時間は限られており、リハビリ期間も一定期間で終了となることが多いのです。

そのため、「階段を上り下りできるようになる」「杖なしで歩けるようになる」といった基本的な目標は達成できても、「綺麗に歩けるようになる」「疲れにくい身体になる」「姿勢を良くする」といった、より質の高い日常生活を送るための改善には手が届きにくいのです。

また、病院のリハビリでは主に手術した関節周辺に焦点が当てられますが、実際には骨盤の位置や体幹の使い方、反対側の足の使い方など、全身のバランスを整えることが本当の意味での回復には必要です。

PHYSIOTHのような保険外のリハビリ施設では、時間制限を気にせず一人ひとりの身体の状態に合わせたオーダーメイドのアプローチが可能です。
病院でのリハビリが終了した後の「その先」の改善を目指す方にとって、専門的な知識を持った理学療法士によるサポートは大きな助けとなります。

骨盤の位置が全身に与える影響

骨盤は身体の土台

骨盤は、上半身と下半身をつなぐ身体の中心に位置し、まさに「土台」としての役割を果たしています。

建物に例えるなら、骨盤は基礎部分にあたります。
基礎が傾いていたり、ずれていたりすると、その上に建つ建物全体のバランスが崩れてしまうのと同じように、骨盤の位置が正しくないと、背骨や股関節、膝、足首など全身のバランスに影響が出てしまいます。

理想的な骨盤の位置は、真横から見た時に「やや前傾」している状態です。
この状態では、骨盤の上に背骨が自然なS字カーブを描いて乗り、股関節や膝関節も適切な角度で体重を支えることができます。

しかし、手術後の方の多くは、骨盤が後ろに傾いた「骨盤後傾」の状態になっています。
これは、痛みをかばう動きや筋力低下、筋肉の硬さなどが原因で起こります。

骨盤後傾が引き起こす問題の連鎖

骨盤が後ろに傾くと、様々な問題が連鎖的に発生します。

まず、骨盤が後傾すると、その上に乗っている背骨も丸まりやすくなります。
いわゆる「猫背」の姿勢になり、肩が前に出て、頭が前方に突き出た姿勢になります。

この姿勢では、上半身の重心が後ろに残りやすく、歩く時に上半身が遅れて足だけが前に出る、という非効率な歩き方になります。
上半身が後ろに残ったまま歩くと、本来なら体幹のねじれや骨盤の動きによって生まれるはずの「推進力」が得られず、足先だけで歩くことになります。

結果として、膝や足首に過度な負担がかかり、痛みや疲労の原因となります。

また、骨盤後傾の状態では、お尻の筋肉(大殿筋)がうまく働きません。
お尻の穴が下を向いた状態になり、お尻の筋肉が伸びきってしまうため、力を入れにくくなるのです。

お尻の筋肉は、歩く時や階段を上る時に非常に重要な役割を果たします。
この筋肉が働かないと、代わりに太ももの前側の筋肉や膝周りの筋肉が過剰に働くことになり、膝への負担がさらに増えてしまいます。

ハムストリングの硬さと骨盤の関係

骨盤後傾の大きな原因の一つが、ハムストリング(太ももの裏側の筋肉)の硬さです。

ハムストリングは、骨盤の坐骨という部分から膝の裏側にかけて走っている筋肉です。
この筋肉が硬く縮んでしまうと、骨盤を後ろに引っ張る力が働き、骨盤が後傾してしまうのです。

人工股関節や人工膝関節の手術後は、どうしてもハムストリングが硬くなりやすい傾向があります。
手術後の安静期間中に筋肉が縮んだり、痛みをかばう動きの中で常に緊張していたりすることが原因です。

特に、股関節と膝関節の両方に問題がある場合は、「ダブルで」ハムストリングが硬くなりやすく、骨盤後傾がより強く出やすいのです。

T様のケースでも、手術前はハムストリングの柔軟性があり、膝の手術直後には自分で足を持ち上げられるほどだったそうです。
しかし、手術後1年ほどの間に、ハムストリングの特に上部(お尻に近い部分)が著しく硬くなってしまいました。

この硬さを改善するためには、ただストレッチをするだけでは不十分です。
膝を伸ばしたまま行うストレッチでは、ハムストリングの下部(膝に近い部分)ばかりが伸びてしまい、本当に硬くなっている上部(お尻に近い部分)は伸びにくいのです。

効果的にハムストリングの上部を伸ばすためには、膝を伸ばしたまま股関節から身体を前に倒すストレッチが有効です。
この時、お尻に近い部分が伸びている感覚を意識することが大切です。

正しい立ち方が身体を変える

重心の位置を見直す

多くの方は、自分がどこに体重をかけて立っているか、普段意識することはほとんどありません。
しかし、この「重心の位置」が、身体全体の使い方を大きく左右しているのです。

一般的に、立っている時の理想的な重心配分は、かかと側に約66%、つま先側に約34%と言われています。
かかと側がやや多めではありますが、決して「かかとの一番後ろ」に体重をかけるわけではありません。

理想的な重心位置は、「かかとの前縁」と呼ばれる、かかとの骨の前側の部分です。
足の裏で言うと、くるぶしの真下あたりに位置します。

この位置に重心を置くと、足首、膝、股関節、骨盤、背骨が一直線に積み重なるような形になり、最小限の筋力で効率よく身体を支えることができます。

かかと重心の問題点

手術後の方や、膝に痛みがある方の多くは、かかとの一番後ろに重心を置いて立っています。
これを「かかと重心」と呼びます。

かかと重心で立つと、膝を後ろに突っ張って「ロック」した状態になります。
この状態では、膝の関節で身体を支えているため、一見楽に感じるかもしれません。

しかし、この立ち方には大きな問題があります。

まず、膝を突っ張ってロックすると、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の中でも、特に膝の安定性に重要な「内側広筋」という筋肉が働かなくなります。
内側広筋は、膝が伸びきる直前の最後の15度くらいの範囲で特に重要な役割を果たす筋肉です。

膝を完全に伸ばしてロックしてしまうと、この筋肉を使う必要がなくなり、どんどん弱くなってしまいます。
内側広筋が弱ると、膝の内側が不安定になり、膝の内側に痛みや腫れが出やすくなります。

また、かかと重心で立つと、重心が後ろにあるため、歩き出す時に前に進む力を生み出しにくくなります。
足だけを前に出して歩くことになり、体幹や骨盤の動きを使った効率的な歩行ができません。

正しい重心位置での立ち方

正しい重心位置で立つためには、まず骨盤の位置を整えることが大切です。

骨盤をやや前傾させ、お尻の穴を後ろに向けるようなイメージを持ちます。
この時、お腹が前に突き出ないように、下腹部には軽く力を入れておきます。

骨盤が前傾すると、自然と重心が「かかとの前縁」に移動します。
膝は完全に伸ばしきらず、ほんの少しだけ緩めた状態にします。

この姿勢では、太ももの裏側(ハムストリング)やお尻の筋肉が働いている感覚があるはずです。
身体の後ろ側で支えている感じがすれば、正しい位置に立てている証拠です。

最初は慣れないため、少し疲れるかもしれません。
しかし、これは今まで使っていなかった筋肉を使い始めたためであり、良い変化の兆しです。

T様の場合も、正しい重心位置で立つ練習を始めてから、かかとの前縁部分が温かくなる感覚や、床を踏みしめている感覚が分かるようになってきました。
「地に足がついている感じがする」という表現がぴったりの感覚です。

体幹の柔軟性と歩行の関係

体幹とは何か

体幹とは、簡単に言えば「胴体部分」のことです。
具体的には、肩から骨盤までの部分を指し、背骨、肋骨、骨盤、そしてそれらを支える筋肉全体を含みます。

体幹は、上半身と下半身をつなぐ重要な部分であり、身体の安定性と動きの両方に関わっています。

よく「体幹トレーニング」という言葉を耳にしますが、体幹に必要なのは「強さ」だけではありません。
むしろ、「柔軟性」と「強さ」のバランスが重要なのです。

体幹が硬いと、上半身と下半身の動きが分断されてしまいます。
歩く時には、骨盤と背骨がねじれながら動くことで、スムーズで効率的な歩行が実現します。

しかし、体幹が硬いと、このねじれの動きができず、足だけで歩くことになってしまいます。

歩行時の体幹の動き

理想的な歩行では、骨盤と背骨が協調して動きます。

右足を前に出す時、骨盤は右側がやや前に出ます。
同時に、背骨は左にねじれ、左肩が前に出ます。

この「骨盤と肩が逆方向に動く」ねじれの動きが、歩行時の推進力を生み出します。
体幹のねじれがあることで、上半身の重さも前進する力に変換され、楽に効率よく歩くことができるのです。

しかし、体幹が硬いと、このねじれが起こりません。
骨盤と肩が一緒に動いてしまったり、上半身がまったく動かずに下半身だけで歩いたりすることになります。

T様の表現を借りると、「土管状態」「ドラム缶みたいな状態」で歩いている感じです。
上半身が一本の筒のように固まっていて、ねじれや動きがない状態を指しています。

この状態で歩くと、推進力が得られないため、足先だけで頑張って歩くことになり、非常に疲れやすくなります。

体幹の柔軟性を高める方法

体幹の柔軟性を高めるためには、背骨周りの筋肉や肋骨の間の筋肉(肋間筋)を柔らかくすることが重要です。

効果的なストレッチの一つは、身体を横に倒す「側屈ストレッチ」です。
椅子に座った状態で、片手を頭の上に伸ばし、反対側に身体を倒します。

この時、単に身体を横に倒すだけでなく、肋骨が開く感覚を意識することが大切です。
肋骨と肋骨の間が広がるイメージを持ちながら行うと、より効果的です。

また、身体をねじる「回旋ストレッチ」も有効です。
椅子に座った状態で、骨盤は正面を向いたまま、上半身だけを左右にねじります。

この時も、骨盤が一緒に動いてしまわないように、下半身はしっかり固定しておくことがポイントです。

さらに、呼吸を使ったトレーニングも体幹の柔軟性向上に役立ちます。
深く息を吸った時に、お腹だけでなく胸郭(肋骨で囲まれた部分)全体が広がるように意識します。

胸郭が前後左右に広がる感覚を持ちながら呼吸することで、肋骨周りの柔軟性が高まります。

肩甲骨の位置と姿勢の関係

肩甲骨が姿勢に与える影響

肩甲骨の位置は、上半身の姿勢を大きく左右します。

理想的な肩甲骨の位置は、背骨に対してやや寄った状態で、少し下がっている位置です。
この位置にあると、肩が自然と横を向き、胸が開いた良い姿勢になります。

しかし、多くの方は肩甲骨が外側に開き、前方に巻き込んだ状態になっています。
これを「巻き肩」と呼びます。

巻き肩の状態では、肩が前に出て、胸が閉じ、背中が丸まった姿勢になります。
この姿勢では、後ろから見た時に背中にメリハリがなく、肩のラインがはっきりしません。

肩甲骨と骨盤の連動

実は、肩甲骨の位置と骨盤の位置は連動しています。

骨盤が後傾していると、その上に乗っている背骨も丸まり、肩甲骨も前方に巻き込みやすくなります。
逆に、骨盤が前傾していると、背骨が自然なS字カーブを描き、肩甲骨も良い位置に収まりやすくなります。

T様の施術では、「肩甲骨と肛門を寄せる」というイメージを使いました。
肩甲骨を背骨に寄せると同時に、お尻の穴を後ろに向ける(骨盤を前傾させる)ことで、上半身と下半身の両方の姿勢が同時に整うのです。

このイメージは少し独特ですが、身体の前後のバランスを整える上で非常に効果的です。

正しい肩甲骨の位置を作る方法

肩甲骨を正しい位置に持っていくためには、まず肩甲骨を意識的に動かす練習が必要です。

簡単な方法は、肩をすくめて耳に近づけた後、肩甲骨を背骨に寄せながら下げる動きです。
「肩を上げて、寄せて、下げる」という3段階の動きを意識します。

最終的な位置は、肩が耳から離れ、肩甲骨が背骨に寄って下がった状態です。
この位置で肩を固定したまま、日常生活を送る意識を持つことが大切です。

また、胸の前側の筋肉(大胸筋)が硬いと、肩甲骨が前方に引っ張られてしまいます。
壁に手をついて身体を前に倒す「壁ストレッチ」などで、胸の筋肉を柔らかくすることも重要です。

T様の場合、肩甲骨を正しい位置に持っていくと、「脇の下が楽になる」という感覚がありました。
これは、今まで脇の下の筋肉が余計な仕事をしていたことを示しています。

正しい姿勢では、本来使うべき筋肉が働き、余計な筋肉の緊張が取れるため、楽に感じるのです。

自転車の乗り方と体幹トレーニング

自転車での体幹の使い方

日常生活の中で体幹を鍛える機会の一つが、自転車に乗る時です。

多くの方は、自転車をこぐ時に膝だけを使ってペダルを回しています。
しかし、本来は体幹から動かすことで、より楽に効率よくこぐことができます。

理想的な自転車のこぎ方は、「ペダルが骨盤のところにあるイメージ」で、骨盤から動かしてこぐ方法です。

右足でペダルを踏み込む時に、骨盤の右側もやや前に出すようにします。
この動きによって、体幹のねじれが生まれ、全身を使ってこぐことができます。

自転車での姿勢の重要性

自転車をこぐ時の姿勢も重要です。

サドルが低すぎると、上半身が後ろに傾いた姿勢になり、膝だけでこぐことになってしまいます。
サドルをやや高めに設定し、少し前傾姿勢になるようにすると、体幹を使いやすくなります。

前傾姿勢と言っても、競輪選手のように極端に前に倒れる必要はありません。
ママチャリでも、サドルを少し上げるだけで、自然と軽い前傾姿勢になります。

この姿勢で、骨盤から動かしてこぐ意識を持つと、坂道でも楽にこげるようになります。

骨盤を動かしてこぐ練習

骨盤を動かしてこぐ練習は、最初は少し大げさに動かすところから始めると良いでしょう。

後ろから見ると、お尻が左右に動いているように見えるかもしれません。
T様も「後ろから見てカッコ悪いからやめてる」とおっしゃっていましたが、これは体幹の柔軟性が十分でないために、骨盤の動きが大きく見えてしまうためです。

体幹の柔軟性が高まってくると、骨盤の動きは小さくても体幹のねじれが十分に生まれるため、外から見ても自然な動きになります。

練習の段階では、周りに人がいない時に、あえて大きく骨盤を動かしてこぐ練習をすることで、骨盤から動かす感覚を身につけることができます。

T様の場合、この練習を始めてから、以前は電動自転車でないと上れなかった坂道を、普通の自転車で上れるようになったそうです。
しかも、一緒に住んでいるご家族よりも早く上れるようになったとのことで、体幹を使うことの効果を実感されていました。

片足立ちと日常動作の改善

片足立ちができない理由

「片足で立つ」という動作は、一見簡単そうに見えますが、実は非常に高度なバランス能力と筋力を必要とします。

片足立ちができない、またはふらついてしまう原因は、いくつかあります。

一つ目は、立っている側の足の筋力不足です。
特に、お尻の筋肉(中殿筋)や内側広筋が弱いと、片足で体重を支えることが難しくなります。

二つ目は、体幹の安定性不足です。
片足立ちでは、体幹がしっかりしていないと、上半身がぐらぐらと揺れてしまいます。

三つ目は、足首の安定性不足です。
足首が硬かったり、弱かったりすると、細かなバランス調整ができません。

そして四つ目は、重心の位置が適切でないことです。
かかと重心で立っていると、片足立ちになった時にバランスを取ることが非常に難しくなります。

片足立ちの練習方法

片足立ちの練習は、段階的に進めることが大切です。

最初は、壁や手すりにつかまった状態で行います。
この時、つかまる手の力は最小限にし、できるだけ自分の足と体幹で支える意識を持ちます。

重心は「かかとの前縁」に置き、膝は少しだけ緩めた状態にします。
骨盤は前傾を保ち、お尻の穴を後ろに向けるイメージを持ちます。

この姿勢で、ゆっくりと片足を床から離します。
最初は数秒でも構いません。

慣れてきたら、つかまる手の力を徐々に減らしていき、最終的には何もつかまらずに立てることを目指します。

T様の場合、施術を始めた当初は片足立ちがまったくできない状態でした。
「片足で立てないんだから」と諦めかけていましたが、正しい姿勢と重心位置を意識した練習を続けることで、徐々に立てる時間が延びてきました。

歩行は片足立ちの連続

実は、歩くという動作は「片足立ちの連続」と言えます。

歩く時、一瞬一瞬、片方の足だけで体重を支えている瞬間があります。
この瞬間にしっかりと片足で立てることが、安定した歩行につながります。

片足立ちができない状態で歩くと、体重を支えきれずに身体が左右に揺れたり、足を引きずるような歩き方になったりします。

逆に、片足立ちがしっかりできるようになると、歩行時の安定性が増し、一歩一歩がしっかりと地面を踏みしめる感覚が得られます。

歩く練習をする時も、「一歩一歩、片足でしっかり立つ」という意識を持つことが大切です。

足を前に出す前に、支えている側の足で「かかとの前縁」にしっかりと重心を乗せ、その状態から次の一歩を踏み出します。

この意識を持って歩くことで、歩行そのものが片足立ちのトレーニングになり、日常生活の中で自然と筋力とバランス能力が向上していきます。

膝の内側の痛みと筋肉の関係

内側広筋の重要性

膝の内側に痛みや腫れがある方の多くは、「内側広筋」という筋肉が弱くなっています。

内側広筋は、太ももの前側の筋肉(大腿四頭筋)の一部で、膝のお皿の内側から太ももの内側にかけて走っている筋肉です。

この筋肉は、膝の安定性を保つ上で非常に重要な役割を果たします。
特に、膝が伸びきる直前の最後の15度くらいの範囲で、内側広筋がしっかり働くことで、膝のお皿が正しい位置に保たれます。

内側広筋が弱いと、膝のお皿が外側にずれやすくなり、膝の内側に負担がかかります。
これが、膝の内側の痛みや腫れの原因となるのです。

内側広筋が弱くなる理由

内側広筋は、他の太ももの筋肉と比べて、弱くなりやすい特徴があります。

まず、膝に痛みや腫れがあると、反射的に内側広筋の働きが抑制されてしまいます。
これは、身体が痛みを避けるための防御反応ですが、結果として筋力低下につながります。

また、膝を完全に伸ばしてロックした状態で立ったり歩いたりしていると、内側広筋を使う必要がなくなり、どんどん弱くなっていきます。

さらに、自転車をこぐ動作だけでは、内側広筋を十分に鍛えることができません。
自転車では膝が完全に伸びきることがないため、内側広筋が最も働く範囲を使わないのです。

内側広筋を鍛える方法

内側広筋を効果的に鍛えるためには、「膝が伸びきる直前」の範囲で筋肉を使うトレーニングが必要です。

最も基本的な方法は、椅子に座った状態で膝を伸ばす運動です。

椅子に座り、片方の足を床から離して膝を伸ばします。
この時、膝を完全に伸ばしきる直前で一度止め、そこから最後まで伸ばしきる動きをゆっくりと行います。

膝を伸ばしきった状態で、つま先を自分の方に向ける(足首を曲げる)動きを加えると、さらに内側広筋に効果的です。

この状態で5秒ほどキープし、ゆっくりと戻します。
これを10回×3セット行うと良いでしょう。

また、立った状態で行う方法もあります。

壁に背中をつけて立ち、片足を一歩前に出します。
後ろの足の膝をゆっくりと伸ばしていき、最後まで伸ばしきります。

この時、かかとの前縁に重心を乗せ、膝を突っ張ってロックしないように注意します。
膝が伸びている状態でも、筋肉で支えている感覚を持つことが大切です。

T様の場合、内側広筋が特に弱く、太ももの内側がえぐれたような状態になっていました。
逆に、外側の筋肉は過剰に発達して張っていました。

これは、内側の筋肉が働かない分、外側の筋肉が代償していたためです。

内側広筋を鍛える運動を続けることで、徐々に内側にも筋肉がついてきて、膝の内側の痛みも軽減していきます。

むくみと循環の改善

足首周りのむくみの原因

手術後の方の多くが、足首周りのむくみに悩まされています。

むくみの原因は、主に二つあります。

一つは、筋肉のポンプ作用が低下していることです。
ふくらはぎの筋肉は、「第二の心臓」とも呼ばれ、収縮と弛緩を繰り返すことで、足先の血液を心臓に戻すポンプの役割を果たしています。

しかし、歩き方が悪かったり、筋力が低下していたりすると、このポンプ作用がうまく働かず、血液やリンパ液が足先に溜まってしまいます。

二つ目は、関節や筋肉の硬さです。
足首が硬いと、歩く時に足首が十分に動かず、ポンプ作用が働きにくくなります。

また、ふくらはぎの筋肉が硬く縮んでいると、血管やリンパ管が圧迫され、循環が悪くなります。

正しい歩き方とむくみの関係

むくみを改善するためには、正しい歩き方を身につけることが重要です。

理想的な歩き方では、かかとから着地し、足裏全体で体重を受け止め、最後につま先で地面を蹴り出します。
この一連の動きによって、足首が十分に動き、ふくらはぎの筋肉が収縮と弛緩を繰り返します。

しかし、かかと重心で歩いていると、足首の動きが小さくなり、ポンプ作用が十分に働きません。

また、上半身が後ろに残った歩き方では、足先だけで歩くことになり、やはり足首の動きが制限されます。

正しい重心位置(かかとの前縁)で立ち、骨盤を前傾させ、体幹を使って歩くことで、足首が自然と大きく動き、ポンプ作用が活性化されます。

T様の場合も、歩き方を改善することで、足首周りのむくみが徐々に軽減してきました。

むくみ改善のためのセルフケア

日常生活でできるむくみ改善のセルフケアもあります。

一つは、足首の運動です。
座った状態で、つま先を上げ下げする運動や、足首を回す運動を行うことで、ふくらはぎの筋肉を動かし、ポンプ作用を促します。

二つ目は、ふくらはぎのストレッチです。
壁に手をついて、片足を後ろに引き、かかとを床につけたまま前に体重をかけることで、ふくらはぎを伸ばすことができます。

三つ目は、足を高くして休む時間を作ることです。
寝る前に、足の下にクッションや枕を置いて、足を心臓より高い位置にすることで、重力を利用して血液やリンパ液を心臓に戻しやすくします。

また、入浴時に足首からふくらはぎにかけてマッサージすることも効果的です。
下から上に向かって、優しくさすり上げるようにマッサージします。

ただし、むくみがひどい場合や、片足だけが極端にむくんでいる場合などは、血管の病気の可能性もあるため、医療機関を受診することをお勧めします。

長期的な改善のために必要なこと

身体は常に変化し続ける

T様が「1個クリアするとまた次が出てくる」とおっしゃっていたように、身体の改善は一つの問題を解決したら終わり、というものではありません。

身体は常に変化し続けています。
一つの問題が改善すると、今まで隠れていた別の問題が表面化することもあります。

これは決して悪いことではなく、むしろ身体が良い方向に変化している証拠です。

例えば、骨盤の位置が改善してくると、今まで使っていなかったハムストリングの上部が働き始め、一時的に張りや痛みを感じることがあります。

T様の場合も、最近になってハムストリングの上部に張りが出てきたことを心配されていましたが、これは今まで使えていなかった筋肉が使えるようになってきた証拠だと考えられます。

継続的なケアの重要性

身体の改善には、継続的なケアが欠かせません。

週に1回の施術を受けるだけでなく、日常生活の中で正しい姿勢や動き方を意識することが大切です。

また、自宅でできるストレッチや筋力トレーニングを習慣化することで、施術の効果を持続させ、さらなる改善につなげることができます。

PHYSIOTHでは、施術中に行ったトレーニングを動画で撮影し、自宅でも正確に復習できるようサポートしています。

動画を見ながら行うことで、正しいフォームを保ちやすく、効果的なトレーニングが可能になります。

小さな変化を見逃さない

身体の改善は、劇的な変化よりも、小さな変化の積み重ねです。

「階段を降りる時に膝が痛くなくなった」「以前より長く歩けるようになった」「姿勢を意識する時間が増えた」など、日常生活の中での小さな変化に気づくことが大切です。

T様の場合も、「階段を降りる時に体重が乗っても痛くなくなった」「階段を上る時もグイッといけるようになった」という変化を実感されていました。

これらの変化は、1年9ヶ月という長い時間をかけて少しずつ積み重ねてきた結果です。

焦らず、自分の身体の変化を丁寧に観察しながら、継続的に取り組むことが、長期的な改善につながります。

PHYSIOTHでの施術の特徴

医学的根拠に基づいた動作分析

PHYSIOTHでは、15年の病院勤務で延べ5万人以上のリハビリを担当してきた理学療法士が、一人ひとりの身体の状態を詳細に分析します。

単に「ここが痛い」という症状だけでなく、なぜその痛みが起こっているのか、身体全体のバランスや動き方の中でどこに問題があるのかを、医学的根拠に基づいて見極めます。

歩行動作をミリ単位で分析し、関節の可動域、筋力、筋肉の質的変化、神経系の協調性など、多角的に評価します。

この詳細な分析があるからこそ、表面的な対症療法ではなく、根本原因にアプローチすることができるのです。

人工関節術後の専門的対応

人工股関節や人工膝関節の手術後のリハビリには、専門的な知識が必要です。

手術の方法や使用された人工関節の種類によって、注意すべき動きや、効果的なトレーニング方法が異なります。

また、手術前からの身体の状態や、手術後の経過によっても、個別のアプローチが必要です。

PHYSIOTHでは、医学的知識を持った理学療法士が、一人ひとりの手術歴や身体の状態に合わせた、オーダーメイドのリハビリプログラムを提供します。

病院でのリハビリ期間が終了した後も、継続的にサポートを受けることで、より高い目標を目指すことができます。

日常生活への実践的な落とし込み

PHYSIOTHの施術の大きな特徴は、施術室での改善だけでなく、日常生活での動き方まで指導することです。

「立ち方」「歩き方」「階段の上り下り」「自転車のこぎ方」など、日常生活の様々な場面での正しい身体の使い方を、具体的に指導します。

理論だけでなく、実際にその場で動きを確認しながら、身体で覚えることができます。

また、「肩甲骨と肛門を寄せる」「かかとの前縁に乗る」など、分かりやすいイメージや言葉を使うことで、自宅でも意識しやすくなります。

日常生活そのものがトレーニングになることで、施術の効果が持続し、さらなる改善につながるのです。

まとめ:諦めずに一歩ずつ前進する

人工股関節や人工膝関節の手術後、思うように身体が回復しないと感じている方は少なくありません。

手術で関節は新しくなっても、長年の痛みや動きの制限によって変化してしまった筋肉のバランスや骨盤の位置、体幹の使い方は、自動的には元に戻りません。

しかし、正しい知識と適切なアプローチによって、身体は必ず変化します。

骨盤の位置を整え、正しい重心で立ち、体幹を使って歩く。
肩甲骨の位置を意識し、日常生活の中で正しい身体の使い方を実践する。

こうした一つ一つの積み重ねが、長期的な改善につながります。

「1個クリアするとまた次が出てくる」という状態は、決して悪いことではありません。
それは、身体が少しずつ良い方向に変化している証拠です。

階段を降りる時の痛みがなくなる。
以前より長く歩けるようになる。
自転車で坂道を上れるようになる。

こうした小さな変化を大切にしながら、焦らず継続的に取り組むことが大切です。

二子玉川のPHYSIOTHでは、医学的根拠に基づいた専門的なアプローチで、手術後の身体機能回復をサポートしています。

病院でのリハビリが終了した後の「その先」の改善を目指す方、より質の高い日常生活を送りたい方は、ぜひ一度ご相談ください。

一人で悩まず、専門家と一緒に、一歩ずつ前進していきましょう。

ご予約・お問い合わせ

PHYSIOTHは、東京都世田谷区玉川4-3-15 サントピア二子玉川第2 101にございます。

二子玉川駅から徒歩圏内で、用賀、上野毛、等々力、尾山台、九品仏、自由が丘などからもアクセスしやすい立地です。

人工関節術後のリハビリ、歩き方改善、姿勢改善など、お身体のお悩みについて、お気軽にお問い合わせください。

一人ひとりの身体の状態に合わせた、オーダーメイドのリハビリプログラムをご提案いたします。

あなたの「その先」の改善を、全力でサポートいたします。

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PHYSIOTHでは、お客様お一人おひとりの歩行改善や身体機能の向上のため、
十分な準備と専用の枠を確保しております。

すべてのお客様に質の高いセッションを提供し、円滑な施設運営を行うため、
以下の通りキャンセル規定を設けております。何卒ご理解とご協力をお願い申し上げます。

1. キャンセル・変更の受付期限
ご予約のキャンセルや日時の変更は、ご予約前日の20:00までに公式LINEまたは
お電話にてご連絡をお願いいたします。

2. キャンセル料の規定
上記の期限を過ぎた場合、以下の通りキャンセル料を申し受けます。
 •【前日20:00〜当日のご連絡】
 • 単発利用のお客様:セッション料金の50%
 • 回数券利用のお客様:回数券1回分相当額の50%
 •【無断キャンセル(事前の連絡なし)】
 • 単発利用のお客様:セッション料金の100%
 • 回数券利用のお客様:回数券1回分を消化

3. 遅刻について
 • 到着が遅れた場合、セッション時間の延長は原則としていたしかねます。
 • 連絡なく15分以上遅刻された場合は、無断キャンセルとして取り扱うことがございます。
あらかじめご了承ください。

4. 特例措置について
急な体調不良や自然災害、公共交通機関のトラブルなど、不可抗力の理由による場合は、
柔軟に対応させていただきます。その際は、まずは一度ご相談ください。